スポットワーク業界の労働者保護強化に向け、特許技術のライセンス提供を開始

プレスリリース

2025-07-30

 株式会社Matchbox Technologiesは、スポットワーク関連団体に対し労働者保護の留意事項をまとめた厚生労働省の「スポットワークに関する労働者および事業者向けリーフレット」の公表(※1、7月4日公表)を受け、2025年7月より、スポットワークサービスを運営する企業向けに、「スポットワークにおける休業手当の自動判定および金額の自動算出」に関する当社保有の特許(特許第7623661号)のライセンス提供を開始します。

 当社は、創業当初からスポットワーク領域における労働者保護と法令遵守の徹底を最優先課題の1つとし、システム開発に取り組んでいます。その成果として、これまでに労働者保護に直結する2件の特許を取得し、特許を活用した独自の機能を実装することで労働者保護に努めてまいりました(※2)。

 本特許技術は、厚労省のリーフレットに基づく労働者保護を効率的かつ正確に実現し、事業者・求職者双方をリスクから守るための標準技術となり得るものです。当社は、この技術を希望する企業へライセンス形式で提供することで、業界全体の持続的な発展とサービス品質の向上に貢献してまいります。

※1 厚生労働省ホームページ:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59197.html
※2 労働者保護に関する特許について(プレスリリース):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000099.000068701.html

 また、当社はこの他にもスポットワークに関する特許を国内外に40件以上出願しており、基本特許を含む16件の特許を取得済みです。当社の取得済み特許および独自技術について、以下より詳細をご確認いただけます。

特許による機能の強み(独自技術の紹介):https://business.matchbox.jp/patent

社会課題の解決に注力するために(知財について):https://www.matchboxtech.co.jp/patent

■厚生労働省が公表した留意事項について

 この度厚労省が公表したリーフレットでは、スポットワークにおける労働契約の明確化や休業手当の適正な支給、賃金・労働時間の適切な管理など、労働者保護の重要性が強調されました。リーフレットの主な内容は次の通りです。

労働契約の成立時期について

 原則として、労働契約の成立をもって労働関係法令が適用されるため、労使双方で成立時期の認識を共有した上で、労働契約を締結することが求められる。一般的なスポットワークのように、面接等を経ずに先着順で就労が決定する求人では、労働者が求人に応募した時点で労働契約が成立すると考える。

休業手当について

 労働契約成立後に事業主都合で休業又は勤務時間の短縮をさせる場合、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」となり、所定支払日までに労働者に休業手当を支払う必要がある。

賃金・労働時間について

 労働者から実際の労働時間による修正の承認申請がなされた場合、事業主は、賃金は労働者の生活の糧であることを踏まえ、勤務した賃金は遅滞なく支払うとともに、予定の労働時間と異なる時間についても、速やかに確認し労働時間を確定させる。

■当社の対応 ── 「マッチボックス」の法令遵守のための機能について

 当社は、企業や自治体が簡単に独自のスポットワークプラットフォームを構築し、1日単位・数時間での柔軟な働き方を実現するクラウド型システム「matchbox(マッチボックス)」を提供しています。「マッチボックス」では、リーフレットで示された留意事項に対し次の通り対応しています。

求人応募時点で雇用契約が成立。契約時点で労働条件通知書を自動発行

 事業者が応募者の中から雇用する働き手を選択し、採用を確定(マッチング)させた時点で雇用契約が成立します(契約成立時期は事前に双方に明示されます)。契約成立時には、賃金や労働時間等の契約内容が記載された「労働条件通知書」を自動で電子交付します。

休業手当の発生条件を判定し、金額を自動計算し支払う(特許技術)

 事業者都合のキャンセル時、労基法第26条に基づく休業手当を自動で計算し、自動で支給します(特許の詳細は後述)。

労働時間の修正受付と割増賃金の自動計算と支払い

 労働者が勤怠を提出する際に実際の労働時間と異なる場合、その内容や理由を申請でき、事業者に通知されます。承認後は割増賃金(深夜含む)を自動計算し、双方の合意により正確かつ迅速な賃金支払いが行われます。

■業界唯一の「休業手当の自動判定・計算・支払い機能」で、厚労省基準の労働者保護を実現

 当社は、事業者都合による就業予定の取り消しに対して、労働基準法第26条に基づく休業手当を自動で計算し、休業手当が労働者に自動的に支給される仕組みを導入しています。この仕組みは、特許技術を活用した業界唯一の独自機能です。

事業者都合の休業手当の判定・計算・支払いの自動化に関する特許

【特許技術の概要】

  本特許技術は、事業者が労働者の採用を取り消した際に、主に以下のステップで自動処理を進めます。

①取り消し情報の受け付け:事業者から、就業予定者の採用取り消しに関する情報(理由等)を受け付ける

②休業手当の判定・算出:休業手当の該当可否を判定し、労働者の過去の勤務実績や求人情報の給与額等に基づき、休業手当の金額を自動で計算する。

③(任意機能)自動支払い: 算出された休業手当の金額を、労働者の指定口座へ自動的に送金する。

 このように、休業手当に関する判定や金額計算を自動化することで、事業者の業務負担や人為的なミスを大幅に減らすことができます。また、実際の休業手当の支給方法(自動送金の有無)や支給割合(60%、100%など)は、ライセンスを受けた事業者のサービス方針に応じて自由に設定可能です。そのため、本特許は柔軟な運用ができる仕組みとして、多様なサービスに対応可能な内容となっています。

【期待される効果】  

・労働者保護の強化:迅速かつ正確に休業手当が支給されることで、労働者の生活の安定を維持する。
・法令遵守の強化と信頼性向上:労働基準法に基づいた休業手当の支払いが自動で正確に実行されるため、事業者は法令違反のリスクを低減し、コンプライアンスを徹底した運営が可能となる。
・事務作業の効率化:休業手当の算出から支払いまでの複雑なプロセスが自動化されることで、担当者の業務負担および人為的ミスが削減される。

■業界全体の課題解決をめざし、特許技術の提供を開始

 当社は、業界全体の課題解決をめざし、休業手当の自動判定と自動計算に関する特許技術について、スポットワークサービスを展開する企業に向け、2025年7月より、積極的な提供を開始します。すでに複数の企業に提供しており、今後も連携企業を幅広く募集します。

スポットワークサービス企業側のメリット

 本技術を活用することで、スポットワークサービスを展開する企業に次のようなメリットがあります。

 第一に、本技術を自社プラットフォームに組み込むことで、労働基準法第26条等の労働関係法令に定められた休業手当の支払い義務を、利用事業者が確実に履行できるようになります。これにより、労働者保護を強化し、厚生労働省が求める「労働者の生活の安定を守る」という社会的責任を果たすことができます。

 第二に、労働者と事業者双方に対し、「法令を遵守し、安心して利用できるプラットフォーム」というイメージを強化することができます。労働者に対して、収入面の不安が軽減された安心して就労できる環境を提供でき、事業者に対しては、法令対応がシステム化された安全なプラットフォームを提供できるようになります。これにより、プラットフォーム自体のブランド価値向上につながります。

私たちマッチボックステクノロジーズは、デジタル技術を活用し、「誰もが柔軟に働ける社会」の実現をめざしています。今後も、労働者保護と事業者の法令遵守支援の両立を徹底し、労働者・事業者ともに安心してご利用いただけるサービス運営に努めてまいります。また、スポットワークの留意点について、労働者・事業者の双方に継続的に周知・啓発を行うほか、特許技術を活用し、業界全体での労働者保護の強化と適正な運用を推進し、公正な労働環境の実現に貢献してまいります。

以上

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