プレスリリース
2026-5-27

株式会社Matchbox Technologiesは、富山県(知事:新田八朗)と連携して展開する富山県公式の農業特化型スポットワークサービス「富山あぐりマッチボックス」について、正式事業化から1年を経て、2年目の運用を開始したことをお知らせします。
「富山あぐりマッチボックス」は、1日・数時間単位からの柔軟な就農環境を整備することで、農繁期の人材確保と将来的な農業の担い手確保を目指し、2024年に開設されました。富山県による実証実験プロジェクト「Digi-PoC TOYAMA(※)」に採択され4カ月の実証実験を行い、2025年4月から正式事業として運用されています。正式事業化から1年間で、累計約1,400件の就業、7,000時間を超える労働時間の供給に加え、23名の長期雇用者、300名以上のリピート就農者を創出しており、一時的な人材確保にとどまらず、継続就業や長期雇用へのきっかけを生み出す地域の就農インフラとして機能し始めています。
また、代表的な活用事例として、株式会社アニューリーフ(本社:富山県南砺市、代表:森田英、以下「アニューリーフ」)では、「富山あぐりマッチボックス」の活用を通じて17名の長期雇用者を確保し、目標としていた法人化の実現にもつながりました。
※ Digi-PoC TOYAMA(デジポックとやま):
富山県が推進する、地域課題をデジタルソリューションで解決する先進事例を創出し、富山県におけるビジネスモデルの構築につなげることを目指した実証実験プロジェクト(URL:https://digi-poc-toyama.jp/)。
富山県では、農業従事者の高齢化や後継者不足が深刻な課題となる中、多くの事業者にとって繁忙期の人材確保が大きな経営課題となっています。また、農業現場では、収穫や出荷調製など特定工程に人手が集中して必要になる一方、短期間・少人数の募集を繰り返すことが多く、従来の採用手法では機動的な対応が難しいという課題がありました。こうした課題に対し、当社は富山県と連携し、県内事業者と働き手をつなぐ新しい仕組みとして「富山あぐりマッチボックス」を展開してきました。「富山あぐりマッチボックス」は、農業分野の繁忙期に必要な人材を、必要な人数だけ確保できる仕組みです。単発・短期の働き手確保を可能にするだけでなく、リピート就業や長期雇用にもつながる仕組みとして活用が広がっています。
富山あぐりマッチボックス:https://matchbox.jp/toyama/toyama-agri

正式事業化から1年を経て、「富山あぐりマッチボックス」では、県内農業事業者における活用が着実に進みました。これまでに、県内の50以上の事業所で利用され、累計で約1,400件の就業が生まれています。スポットワークの仕組みとしての活用に加え、働き手の継続就業や、事業者の受け入れノウハウの蓄積も進み、地域農業を支える基盤として定着しつつあります。また、県全体で23名の働き手が長期雇用につながっており、スポット就業を入口としながら、農業分野で長期的に働く人材の創出にもつながっています。
さらに、マッチボックスの特徴である「自社メンバー」登録機能の活用拡大も成果の一つです。これは、事業者と働き手が相互に合意したうえで、働き手を特定の事業者のメンバーとして登録できる機能です。働き手は自社メンバーに登録することで、事業者が自社メンバーにのみ公開する限定求人に応募することができます。これにより、働き手が同じ事業者で継続して働きやすくなり、事業者にとっては受け入れ経験のある人材との接点を維持しやすくなります。サービス全体の自社メンバー登録者数は、実証実験期間中の61名から、2026年3月末時点で331名まで拡大しました。数時間単位から農業に関わることができる柔軟な働き方が、継続就業や長期雇用の足がかりとして機能していることがうかがえます。
南砺市で青ネギやにんにくなどを栽培するアニューリーフでは、2025年春頃まで、地域内の定年退職後の人材を中心に出荷作業などを依頼していました。一方で、事業拡大や法人化を見据えるなか、繁忙期に必要な人員を安定的に確保することが課題となっていました。
そのような中、富山県の農林振興センターから紹介を受けたことをきっかけに、「富山あぐりマッチボックス」を導入しました。「富山あぐりマッチボックス」は募集から確定までのスピード感が速く、翌日の作業に必要な人員を確保するという課題を解決できたといいます。アニューリーフは事業開始以来、地域の方々との関係を築きながら事業を拡大してきました。一方で、栽培面積の拡大に伴い、繁忙期に必要な人員数が既存のネットワークだけでは賄いきれない規模となっていました。そのような状況でも、「富山あぐりマッチボックス」を活用することで、10代から60代までの幅広い層の働き手を30名以上採用し、130件を超える勤務につながりました。
さらに、アニューリーフでは、一度採用した方にリピート就業してもらうことを意識して運用したことで、継続的に応募する働き手が増え、17名は長期雇用につながるなど、繁忙期を支える人員体制の整備が進みました。こうした人材確保の進展は、事業拡大に向けた現場運営の安定化につながり、同社が目標としていた法人化を後押ししました。
地域内外の交流が生まれ、農業による「地域活性化」を実感
アニューリーフでは、「富山あぐりマッチボックス」の活用を通じて、もともと現場を支えてきた地域の方々と、新たに外部から働きに来る方々との間に交流も生まれています。さらに、アニューリーフへの就労をきっかけに次の農業キャリアにつながった働き手もおり、単なる人手確保にとどまらず、地域農業に関わる人の流れを生み出し、人材の裾野を広げる動きにもつながっています。

私たちの現場には、以前から地域の方々が入ってくださっていました。富山あぐりマッチボックスを通じて新たな方が加わったことで、世代も背景も異なる人同士が自然と言葉を交わす場面が増えました。ベテランの方が初めて来た若い方に作業のコツを教えてくださったり、休憩時間に地域の話題で盛り上がったり。そうした光景を見るたびに、農業には人をつなげる力があると感じます。私自身、富山に移住して農業を始めた人間ですが、この土地で事業を続けられているのは、現場を一緒に支えてくださる方々がいるからです。人手の確保という実務的な価値はもちろんですが、地域の内と外に新しい接点を生んでくれるツールとして、これからの事業拡大の中でも積極的に活かしていきたいと考えています。
また、農業の現場では、前日の夕方に「明日の人手が足りない」と気づくことが珍しくありません。富山あぐりマッチボックスは、そのタイミングからでも募集を出せて、実際に翌朝には人が来てくださる。このスピード感は、他の求人手段では得られなかったものです。操作もシンプルで、繁忙期の慌ただしい中でも負担なく使えています。一度来てくださった方に再度声をかけやすい仕組みも、現場を回す上で非常に助かっています。
当社は今後も「富山あぐりマッチボックス」の運用支援を通じて、繁忙期の人手不足解消にとどまらず、地域農業における継続就業・長期雇用の促進に向けた仕組みづくりを進めていきます。
また、富山県は「富山あぐりマッチボックス」で得られた成果や知見を活かし、2026年7月に全産業向けの人材マッチングプラットフォーム「富山マッチボックス」を新たに開設する予定です。これにより、柔軟な就業機会の創出は、農業分野から全産業へと広がります。農業分野においても、引き続き富山県と連携し、活用事業者や利用者のさらなる拡大を図るとともに、地域に根差した人材確保の仕組みづくりを通じて、一次産業の持続可能性向上に貢献してまいります。
私たちマッチボックステクノロジーズは、デジタル技術を活用し、「誰もが柔軟に働ける社会」の実現をめざしています。今後も地方自治体と連携し、地域の人材課題の解決に貢献してまいります。
以上
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