プレスリリース
2024-01-04
新年おめでとうございます。
昨今、企業の人手不足が叫ばれています。「人手不足」というキーワードで検索をすると、介護業界、製造業界、観光業、そして流通業界の2024年問題など人手不足ではない業界はないのかと思ってしまうほどさまざまな業種での情報が並びます。しかし、これほど人手不足が叫ばれていながら、働き手として職業選択や就労条件の劇的な変化を実感することはあまりないのではないかと思います。
現代の日本社会は人手不足でありながら、働きたい条件の仕事が見つからないという大きなミスマッチの構造に陥っています。これは、ライフスタイルの多様化に企業が追いついていないからだと考えています。
ライフスタイルのデジタル化が進み、ワーケーションや地方移住などの場所を問わない労働環境、インフルエンサーなどの新たな職業の誕生や組織に属さない生き方による自由な労働時間など多様な働き方が広がっています。そんな中、旧来型の長時間・固定勤務をあえて選ばない方も増えています。総務省統計局が令和4年に行った労働力調査※によると、非正規雇用を選択した理由の一位は「自分の都合のいい時間に働きたいから」と2,101万人のうち679万人が回答しています。
※出典:労働力調査(詳細集計) - 総務省統計局
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/dt/pdf/index1.pdf
弊社は昨年、地方自治体と協力しこのミスマッチに回答しうる取り組みを進めてきました。これまでに新潟県湯沢町、南魚沼市、長岡市、佐渡市、大阪府泉佐野市、静岡県伊東市、熊本県天草地域と累計7の地域とそれぞれの自治体名を冠した人材マッチングプラットフォーム「マッチボックス」を開設してまいりました。
マッチボックスは企業が1日単位・数時間から求人募集できるデジタルツールです。地域内外の求職者が手軽に仕事を選び自分のライフスタイルにあった働き方ができるというものです。さらに雇用企業が自社独自の人材プールに働き手を登録し、すぐに声がけができる自社の戦力として貯めておくこともできます。働き手は好きな時間に好きなだけ働くことができ、職種も自由に選択することができます。また、数時間からお試し感覚で働き、肌が合えば長期雇用につながる可能性もあります。
湯沢町が開設した「ゆざわマッチボックス」では約1,100人の働き手が登録しています。また、23年10月~12月では約3,000時間の勤務が発生しました。非正規の方の月の平均労働時間は78時間と言われています。人手不足と言われている中、デジタルを活用し地域の「眠れる労働力」を掘り起こしました。
地方では仕事との出会いが特に重要です。地元企業の魅力に気付くことなく人材が県外へ流出するケースも多くみられます。そんな中で、「マッチボックス」は自治体との連携を通じ多くの雇用機会を創出しました。働き手にとってデジタル上に地元の仕事が集約され、気軽に応募できるという点が響いていることを実感しました。
本年、マッチボックステクノロジーズはこれまでの経験を活かし、自治体との協力をさらに推し進めていきたいと考えています。就労マッチングのデジタル化というこれまでにない取り組みを行うことにハードルを感じる方もいるかもしれませんが、実際に取り組んでみると簡単に活用することができると感じられると思います。そして、柔軟に働ける機会を提供するだけで驚くほど多くの働き手の方とマッチングするということを実感されると思います。
自治体の戦略として観光情報のデジタル化により人流を生み出すアプローチは定番です。一方で人材を地域に留めるデジタル戦略は十分にされているでしょうか。地方には都市部に負けない魅力ある仕事がたくさんあります。地域外への情報発信のデジタル化だけでなく、地域内の人材を留めるアプローチも必要ではないでしょうか。デジタルを活用した「ご当地のお仕事情報」発信は地方の魅力の再発見につながります。そして、地方の魅力が次々と発見されていくことで日本全体も活性化されると信じています。
今こそ皆さんと一緒に就労のデジタル化を推し進める時期だと考えています。
本年も、マッチボックステクノロジーズにお力添えいただけますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
Matchbox Technologiesグループは、人材雇用・労務管理を一体とした人材マネジメントのデジタル化により、人や組織の課題解決を目指していきます。
株式会社Matchbox Technologies
代表取締役社長 佐藤洋彰